どっちがお得!?eMAXIS Slim 米国株式 vs VOO

新NISAがはじまったことを機に投資を始めてみたという方も多いんじゃないでしょうか。新NISAにはコツコツ積み立てる「積立投資枠」とスポット的な資産運用も可能な「成長投資枠」が用意されています。「成長投資枠」は金融商品の選択肢が多く「積立投資枠」で選択可能な商品も選べるようになっています。それゆえに、何に投資すれば良いか迷ってしまいますよね。

オルカン(全世界株式)が圧倒的な人気を誇るなか、米国株式も投資家の皆さんから根強い支持を得ていると理解しています。そこで今回は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「VOO(= Vanguard S&P500 ETF)」のどっちがお得なのか検討をしてみたいと思います。具体的な投資シミュレーションも回したので、ぜひ最後までお読みください!

目次

新NISAの人気銘柄を徹底比較:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)vs VOO

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「VOO」の違い

投資シミュレーションによる比較をする前にそれぞれの銘柄の違いについて簡単に触れておきます。大きな違いは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が投資信託、「VOO」が上場投資信託(ETF:Exchange Traded Fund)であるという点です。

投資信託とETFの違いを説明するのが本題ではないため細かな違いの説明は割愛しますが、ざっくり言えば「ETFの方はリアルタイムに売買することが可能」なんですね。なので取引場が開いている間、指値や成行でタイムリーに注文を出せるのです。一方投資信託は、購入時の価格が見えない「ブラインド方式」となっており、購入価格のコントローラビリティは低いと言えます。

また、株式投資の配当金にあたる「分配金」の支払に関しても、投資信託とETFで異なる点があります。「投資信託は分配金を再投資方式にしておくことで分配金に係る複利効果を得ること可能」であるのに対し、ETFでは分配金が自動で再投資されることはありません。その理由を理解するためにはもう少し説明が必要なのですが、本題からそれてしまうので先に進みます。

さて、上記のような投資信託とETFの違いも踏まえて2つの銘柄を整理するとこのようになります。

皆さん、これを見て何か気づきませんか?私も調べるまで知らなかったのですが、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」には分配金の支払実績がないのです。これは個人的に結構衝撃的でした。楽天証券のホームページで見つけた目論見書も確認しましたが、たしかに分配金支払実績はありません。以下にエビデンスを貼っておきます。

軽く調べてみると、ファンドの方針としては

ということのようです。このようなファンド方針に鑑みると、今後も分配金が支給される可能性は低いのではないかと思います。

お得なのはどっち!?eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs VOO

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に分配金がないとなるとなんとなく結果の予想はつきますが、運用シミュレーションを回しましょう。シミュレーションにあたっての前提は下記のとおりとしました。

比較がしやすいように揃えられる条件は揃えています。リターンが同じなのは、いずれも「S&P500」がベンチマークとなっているためです。この点に差異は生じない理解です。期間をどこでとるかという話が論点として出てきますが、ここではVOOの設立来リターン数値を丸めて採用しています。また、為替影響については話がややこしくなるためシミュレーション上無視します(将来為替変動なしの前提)。

この条件で運用シミュレーションを回してみると、次のようになります。

スライドにも記載しましたが、VOOの方が「240万円お得」という結果になりました。経費率に関して「VOO」の方がその率が小さく、かつ分配金支払がされるという点が「eMAXIS Slim 米国株式」との差になって効いていますね。

運用実態と整合するよう「VOO」の分配金については複利計算対象から外して別スケジュールを組んでいるところがポイントなのですが、分配金があるということは、それ自体の複利効果が得られずともメリットが大きいということが分かります。

まとめ/コメント

実績ベースで考えると「VOO」の方がお得という結果になりました。この結果になった一番の要因は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で分配金を出していないことにあります。ただし、今後「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で分配金が出ないとも言い切れないため、あくまで現時点での結論ということになります。

参考までに、今年から「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で分配金支払が開始したとして同じシミュレーションを回すと、「VOO」との比較で117万円お得という結果になります。投資信託の場合、分配金再投資の設定が選べるのでそのメリットが効いてくるということなんですね。

投資は最終的には自己の責任でやっていくしかありません。どちらを選ぶかは読者の皆さん次第です!こちらの記事も参考に、楽しい投資ライフを送りましょう!

ではでは~!

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